3つの背骨のストレッチ

ストレッチ 背中、肩甲骨の痛み

3つの背骨のストレッチ、これだけはハズせない。

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今回は体の中心、大事な大事な背骨のストレッチをご紹介いたします。背骨は生理学的にもヨガや東洋医学でも重要視されるところで、恵比寿整体院の施術方針にも関わる大事なところですので、今回は少し長めに解説させていただきます。

ストレッチのやり方だけ知りたい人は飛ばして、実践法だけ読んでください。でも、意外と気とかヨガのお話とか面白いかもです。

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ど~も、恵比寿整体院の内山です。

今回は背骨のストレッチということで、お話しすることもたくさんあります。整体というイメージ自体、背骨を矯正するイメージがありますし、西洋の整体法であるカイロプラクティックなどは、この背骨の矯正を治療の主眼としています。

またヨガなどでも背骨の気の流れ、気の通りをよくすることに腐心しますし、仙道や道教などの修行法でも背骨や仙骨を中心に鍛錬したりもします。

東洋医学も背骨自体ではないのですが、体の正中の前後の気の流れである任脈と督脈は気の流れのメインであるとして、施術や気功や瞑想法、各種の鍛錬法でも重要視するところです。

まぁ、体のど真ん中ですからね。言葉の違いはあれど、どのような文化でも重要視するところですし、生理学的にも脳から続く神経系の中心です。

ということは背骨が固い、柔軟性がないと様々な不定愁訴を招きかねません。今回は効果的な背骨のストレッチとともに、背骨について解説いたします。



背骨を生理学的に診ると

背骨の構造

背骨(脊椎)は上から、頸椎(けいつい)が7個、胸椎が12個、腰椎が5個、その下に背骨の土台である仙骨(せんこつ)と尻尾の名残である尾骨があります。

動きとしては頸椎は首を動かすために良く動き、胸椎は余り動きません。腰椎は曲げたり捻じったり大きく動くところです。

背骨の中には脳から続く脊髄があり、体の運動と感覚を司る体性神経と内臓機能など生命維持の基本となる自律神経が背骨から身体中に走行しています。

体の司令塔である脳から身体中に命令を伝えるメインのラインですからね、とても重要です。背骨を損傷すると下半身不随や様々な運動障害、機能不全を招きます。

脊柱を構成する背骨(椎骨)同士の関節は第一頸椎と第二頚椎の車軸関節に分類される環軸関節以外は全て滑走関節に分類されます。

環軸関節以外の椎骨同士の滑走関節の動きは一つ一つはとても小さなものですが、背骨全体の滑走関節の動きが複合することで体幹を動かす大きな動きが可能となります。

参考リンク:滑走関節車軸関節


背骨とヨガ

またヨガなどでも、背骨を重要視しますね。ヨガではいうプラーナとは東洋医学でいう気です。背骨はプラーナというエネルギーの一番大きな流れ道として神聖視さえされています。ヨガの体操みたいなこと(アーサナ)は、このプラーナの通りをよくするための行法です。


気の流れ・ナーディー

ヨガではプラーナの流れる管、もしくは経路をナーディーと呼びます。

ナーディーは、身体の中に7万2000本も通っていると言われていますが、東洋医学でいう経絡(けいらく)みたいなものです。しかし東洋医学の経絡のようには分類されておらず、内臓機能や感情などには関連付けられていませんね。単にエネルギーの経路という感じです。

ヨガの土台である印法(いんぽう、漢方に対応させてインドの医学なので印法なのですが、いんぽうでは聞こえが悪いのでアーユルヴェーダとして知られています)では、火・水・風の3つの分類で思想を発展させていますので、漢方のように5つの分類、陰陽五行論(木・火・土・金・水)とは異なるのも面白いところです。

で、ヨガで重要視されているのは気の流れは、背骨を貫く中央部分のスシュムナーとその左右のイダー、ピンガラーと言われる2本のナーディーです。イダーは「月」、ピンガラーは「太陽」という意味です。

スシュムナーを中心にして、イダーは左の鼻から、ピンガラーは右の鼻からはじまり身体の中央を中心にして、月の気道と、太陽の気道が、それぞれ交差しながら身体をつらぬいています。

ハタヨガの「ha」は「太陽」、「ta」は「月」という意味を持っていますが、これは陰陽の概念ですね。陰陽を詩的に表せば太陽と月、アーユルヴェーダってロマンテックなんですね。

インドの哲学は理詰めの理論的な体系を持っていますが、ヨガでは詩的なイメージで体の生理から世界の構造まで把握しようとします。

東洋医学も陰陽だとか、五行だとか論理的ですがもっと実践的かな。内臓機能や体の生理を実践的に説明しようとするし、食事などにもこの思想は溶け込んでいます。

まぁ、ヨガではストレッチのようなアーサナ(運動法)や鼻洗浄などの浄化法、瞑想法などによりこの背骨や中心の気の流れをよくすること、気の通りをよくすることに腐心するわけです。


背骨と東洋医学

任脈と督脈。体の正中の気の流れ、前を任脈、後ろを督脈と呼びます。

ヨガは結構、直接的に背骨をストレッチしたり、瞑想などのイメージでも背骨の中心部を重要視するのですが、東洋医学って逆に中心部を直接に何とかしようとは思わないんですね。

実際に背骨や中心を直接は治療できませんからね。任脈(にんみゃく)や督脈(とくみゃく)の異常があったりしても任脈督脈の直接的な治療法ってあまりないんです、力ずくでここをどうにかしようとは思わないんですね。

ヨガやカイロプラクテックは直接、背骨を矯正する考えですが、東洋医学はもっと全体的というか背骨や中心部を含めた調和的な考え方かな。

あとは体を見れば背骨という中心がありますが、腕にも中心がある、足にも中心がある、ひいては細胞一つ一つに中心がある、原子にも中心がある、一点には全てがある、一つは全てを含んでいるという思想がありますから、背骨という中心にそれほどこだわらないのかもしれません。

これは華厳経などに代表される思想ですね。現代の量子力学、少し前に流行った複雑系やフラクタルに近い概念です。

そしてこの辺りは理論的には説明しにくいんですね。詩的にしか言い表せない。

「一滴の雨に世界のすべてが映っている」みたいな感じですね。


背骨の土台、仙骨

背骨って仙骨の上にあるのですけど、ヨガではこの仙骨にエネルギーが眠っていて(これも詩的な表現ですね)クンダリーニヨガなどではこのエネルギーを何とかして目覚まして、背骨を通らせ頭までもっていこうとします。

仙道でも似たような行法がありますし、実際に仙骨からエネルギーが駆け上がる感覚もあります。

ついでに言うとヨガでは尾骨にカルマ(業)があるという人もいますね。これは動物時代の尻尾の名残であることからです、たいした意味はありません。

また、尾骨を骨折すると気が狂うというのも聞いたことがあります。そういえば私の周りで尾骨を折っている人は変な人が多いような…。
(私、10年ほどスノーボードにハマっていた時期があるので、周りには尾骨を折ってしまった人がたくさんいるのです)

まぁ、ヨガにハマってクンダリーニヨガや密教的な修行法にハマってしまう人は多いのですけど、こんな修行法はあまり意味がありません。気の通りは多少良くなりますし、気もたくさん出ますがそれだけです。

別に神秘的な力がつくわけでもないですしね。智慧が深まるわけでもありません。それどころか気が強い、ただのおバカさんになる確率が高いですからね、新興宗教の教祖様とかグル(導師)とかしか道がなくなります。

まぁ、そうなりたい人にはいいんでしょうけど、自他の魂の向上にはあまりお役に立ちませんね。まっとうな人はもっと正統的な向上の道を選ぶはずです。


恵比寿整体院の施術

で、恵比寿整体院の施術ですが、私治療を学び始めて数十年、いろいろな施術法を学びました。カイロプラクテックの施術や様々な運動法や経絡やツボへの施術、ヨガや太極拳、合気道や仙道、などなど。でオリジナルな施術法にたどり着いたのですけど結構背骨は重要視しますね。

仙骨自体の施術法も取り入れていますし、背骨や仙骨の変位にかかわる大腰筋や腎経への施術もメインです。あと頭蓋仙骨療法という脳から仙骨までの脳脊髄液の流れを調整する手法も取り入れています。

これは頭の後ろに手を置いて頭を支えているだけの気功のような手法ですが、神経系に直接に作用するような効果があります。気というのもここが中心ではないかと思いますね、体感的に。

気の状態は個人個人違いますから、施術も毎回違うものになりますが、気の滞りを回復させるため経絡やツボへの施術やストレッチ、脳脊髄液の調整をメインにしております、あと冷えとりね。

背骨のストレッチ

やっと背骨のストレッチのご紹介です。これだけはやってほしい背骨のストレッチが3つあります。背骨を曲げる・反るストレッチに背骨の土台である仙骨のストレッチ、特に仙骨のストレッチは腰やお腹の中、股関節、背骨の土台を気持ちよく効果的にストレッチできる形で全身の柔軟性を高め、全身的な冷えや瘀血(おけつ)といった状態を回復させるのに役に立ちます。


ストレッチを効果的に行うために

背骨といえど安全に効果的にストレッチを行うためには腹式呼吸が欠かせませんので、先に腹式呼吸をご説明しますね。

腹式呼吸:

息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。

腹式呼吸のやり方

お腹がへこむように横隔膜を挙げて、口から息を全部吐き出します。

腹式呼吸のやり方

お腹が膨らむように、横隔膜を下げて、鼻から息を吸います。

効果的に体を緩めるコツは、腹式呼吸にあります。いくら柔軟やストレッチをしても体が柔らかくならないような方は、呼吸が浅いのです。

体の固さって、神経の緊張が原因ですから、頑張ってうんうんとストレッチしても準備運動くらいの効果しかないのです。

腹式呼吸が初めての方もいらっしゃるかもしれませんが、呼吸をうまく使うと、普段から交感神経優位の緊張している体を、副交感神経優位のリラックス状態にすることができます。

ヨガのように呼吸を使い、腹式呼吸でリラックスしながらご紹介するストレッチを行うと、呼吸の度、息を吐くと体が緩まり、息を吸うと背骨がよりストレッチされるのを感じることができます。

腹式呼吸が苦手な方や初めての方は、体を柔らかくする腹式呼吸をご参照ください。


2つの背骨のストレッチ・曲げる・反る

何事にも裏表があります。背中も曲げる・反るの2つの動きがありますので、曲げるストレッチと反るストレッチ2つセットで行ってください。


曲げる背中のストレッチ

このストレッチは腰から背中、首まで深くストレッチできる形です。深く首を曲げていきますので、ストレッチの最中は絶対に首を横に向けないでください。目線はおへそを見るようにします。

決して無理をせずに、自分の身体の柔らかさに合わせて深さを調整してください。毎日行えばすぐに柔らかくなってきます。

ストレッチの手順1

仰向けに寝ます。少し腹式呼吸をして体をリラックスさせます。

ストレッチの手順1足上げ

手の平で床を押して膝を伸ばしたまま、両足を持ち上げます。

背中のストレッチ3

さらに両足を倒します

背中のストレッチ・固い人

膝は曲げないので、この辺が限界の人は、この状態で腹式呼吸をします。息を吸うたびに身体が伸ばされ、息を吐くたびに緩まるのを感じてみてください。緩まるごとに更に足を倒します。

首コリのストレッチ・やわらかい人

柔らかい人は腰に手を当て、手で少しずつ身体を押して、つま足を床につけます。

ストレッチ完成

つま足が床についたら 手を床につき、手で床を押して更に首を曲げます。目線はおへそを見るようにして顎を胸に押し付けるようにします。この状態で腹式呼吸を10回ほど行います。緩まるごとに更に首を曲げていきます。



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行う時も、戻るときもゆっくり動いて急に首を動かさないでください。終わったらすぐには動かず少し身体の余韻を感じてみてください、背骨自体もたいへん深くストレッチできるためとても気持ちの良いストレッチです。

首こりや肩こり、頭痛予防にも大変効果的なストレッチです。



反る背骨のストレッチ

では次は、背骨を反るストレッチです。先ほどの背骨を曲げるストレッチが終わったら、そのままの姿勢から始めます。

背中の反るストレッチ1

仰向けに寝ます。

背中の反るストレッチ2

両手を手の平を下にしてお尻の下に置きます。肘はしっかりと伸ばします。

背中の反るストレッチ3

両肘で胸を上に突き出すように持ち上げます。頭は反って床にくっつけてください。

ストレッチのコツ

胸の中央を天井に突き上げるようにすると、肋骨が開き胸~肩甲骨がストレッチされます。

上記のポーズでいつもなら腹式呼吸をしてくださいと書くのですけど、上記のポーズで腹式呼吸は難しいのです。その代わりに今回は、胸をめいいっぱい大きく広げるように、呼吸してみてください。肋骨ってこんなに広がるんだとびっくりしますよ。普段、腹式どころか胸の呼吸さえ大きく使えていないのですね。

ゆったり大きく息を吸いながら、さらに胸を天井に突き上げてください。とても気持ちよく背骨や肩甲骨をストレッチできます。

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今回ご紹介した背骨を反るストレッチはヨガのアーサナ(ポージング)の魚のポーズといわれているアーサナです。マツヤ・アーサナといい、甲状腺の機能改善にも良いとされているアーサナです。



背骨の土台のストレッチ

はい、これが一番大事です。背骨の土台である仙骨と腰椎を大変気持ちよくストレッチすることができます。

お腹は気の中心であり、気力ややる気の中心でもあります。丹田(たんでん)という気の中心点もお腹の中にあり、東洋医学の健康法や武道などでは積極的にこのお腹の中、丹田を鍛えたりもします。

腰痛改善のコツ・丹田

腰というと後ろばかり気になりますが、腰椎の前の丹田、ここが最重要なポイントです。見るからに人体の中心、大事な部分にみえませんか?

ここに力がないと…

腰痛とお腹

お腹が弱ってくると、腰が前方に崩れて反り腰になったり、反対に後方に崩れて腰が丸くなった姿勢になります。

上記の写真のようにお腹に力がないと背骨が丸くなり、常に腰に負担がかかった状態になってしまいます。内臓にも悪そうな姿勢ですよね。

ついでに言いますと、皆さん呼吸が浅いんですね。腹式呼吸をするとこのお腹(丹田)に気が巡り腰が自然に立った状態になるのですが、いかんせん皆さん呼吸が浅い…。

だから腹式呼吸を行うだけでも十分に背骨が伸び、お腹に力が入った状態になって様々な不定愁訴の改善に役立ちます。

自然な姿勢

お腹に力が入ると、自然に腰が立ち、楽な姿勢になります。




ストレッチの手順

腰痛、腰のストレッチ・硬い人用1

正座からの…

腰痛、腰のストレッチ・硬い人用2

片足後ろに伸ばし~の…

腰痛、腰のストレッチ・硬い人用3

腹式呼吸。

身体の堅い人は床に両手をついて、しっかり身体を支えて写真のような姿勢をとってください。そして腹式呼吸をしてください。上記の姿勢で腹式呼吸をすると、お腹の中、大腰筋がとても気持ちよくストレッチできます。5,6回深く腹式呼吸をしてください、お好きな方は10回ほど。これだけでとても深くストレッチできます。

腰のストレッチのコツ

ストレッチのコツは腹式呼吸でお腹をしっかり膨らませたりへこませたりすることです。深呼吸が苦手な方はまずは腹式呼吸から練習してみてください。

腰のストレッチのコツ2

慣れてきたら腰をよりそらして、頭は天井を見上げると、さらに腰がストレッチされます。



柔らかい人用

そんなんじゃ物足りない人は両手を膝の上において、天井を見上げてさらに腰をストレッチしてください。とても気持ちよくストレッチすることができます。

腰のストレッチ・柔らかい人用1

膝に両手をのせ~の…

腰のストレッチ2

さらに腰を伸ばし~の…腹式呼吸。

[aside type="warning"] 床から手を離すとグラグラしてしまう人は、そのまま床から手を離さずにストレッチしてくださいね。柔らかい人は膝の上に手を置いてストレッチすることでより深く大腰筋をストレッチできます。深く呼吸することがメインですから、腹式呼吸を忘れずに。 [/aside]

更に気持ちよさを求める人用

はい、運動マゾの皆さん、こんばんわ(笑)。

ヨガや運動がお好きな方は、基本マゾですよね。運動マゾ(笑)

きつければきついほどイイという…

私もそうなんですけどね。

背骨のストレッチの最終形態のご紹介ですが、背骨のストレッチ最終形態【完全版】としてご紹介しています。動画解説もありますのでご興味のある方はご参考ください。↓な形です。

深い背骨のストレッチ

その他の背骨によいストレッチ

ご紹介した上記の3つが背骨のストレッチの基本ですが、他にも症状別、効果別、体を柔らかくする方法やストレッチをご紹介してます。症状別、部位別のストレッチをご参考ください。


体を柔らかくするシリーズ


まとめ

ebisu-seitai
お疲れ様です。うまくストレッチはできましたか?

背骨は体の中心で気の流れの中心部、とても重要なところです。今回ご紹介した3つの背骨のストレッチを基本にして背骨の柔軟性を高めて健康的な心身を作りましょう!

動画解説なども今後、増やしていきますので写真だけでは分かりにくかった人はお楽しみにお待ちください。



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