薄筋ストレッチ

ストレッチ 股関節

薄筋(はっきん)ストレッチ・股関節を内転させ、膝を曲げる補助もする薄くて長い筋肉

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薄筋ストレッチのやり方とコツの解説です。

大腿(太もも)の内側にある薄筋は、他の内転筋群と一緒に股関節を内転させ、更に膝関節の屈曲の補助に関わる二関節筋です。

筋肉はその働きの逆でストレッチできますので薄筋の機能解剖的なこともご紹介しますが、解剖学的なことがめんどくさい方は飛ばして薄筋ストレッチのやり方をご参考ください。

ebisu-seitai
ど~も、恵比寿整体院の内山です。

薄筋というからには薄い筋肉で、薄いだけでなく恥骨から膝下に続く長い筋肉でもあります。

薄筋は2つの関節の動きに関わる筋肉で、股関節の内転と膝関節の伸展で薄筋ストレッチをすることができます。

ストレッチ基礎知識



薄筋

薄筋

下半身前面からの薄筋の走行

薄筋は恥骨から膝下に続く長く薄い筋肉です。

ストレッチはストレッチしている場所を感じる、意識するというのも効果を高めますので、上記のスジを意識してストレッチしている気持ちよさを感じて後述する薄筋ストレッチを行ってください。


薄筋の起始と停止

薄筋の付着部

薄筋の付着部

薄筋の起始
恥骨下枝の前方内側縁

薄筋の停止
脛骨粗面の内側(鵞足)

薄筋の神経支配
閉鎖神経(L2,3,4)


薄筋の起始、恥骨

薄筋と骨盤

寛骨と仙骨が骨盤です。

左右の寛骨仙骨骨盤です。

寛骨とは恥骨・腸骨・坐骨の総称です、解剖学ってややこしいのね。




薄筋の停止、鵞足部

薄筋は恥骨から始まり、脛骨の鵞足部(がそくぶ)と呼ばれるところに停止します。

鵞足部は薄筋、薄筋、半腱様筋の3つのスジが付着していてガチョウの足のような形態から鵞足部と呼ばれています。

薄筋の停止、鵞足部

鵞足部に付着する3つの筋肉、薄筋半腱様筋縫工筋

鵞足炎(がそくえん)とは薄筋や縫工筋、半腱様筋のような筋肉の停止部(鵞足)の炎症で、膝の内側の痛みとして感じることが多くあります。

鵞足炎のほとんどは膝の使い過ぎ、薄筋や縫工筋、半腱様筋の柔軟性不足ですから、運動の後に膝の内側が痛くなるような方はご紹介する薄筋ストレッチで柔軟性を回復させましょう。

参考リンク:鵞足部(外部リンク)


薄筋の触診

薄筋は太ももの内側の恥骨の5~8cm下で触診できます。


薄筋の働き

薄筋は股関節の内転、膝関節の屈曲を補助する筋肉です。


薄筋の股関節の内転

薄筋の内転

太もも、足を内側に振るような動きを内転と言います。薄筋は股関節を内転させる筋肉です。

股関節を内転させる筋肉は、この薄筋の他に3つの内転筋(短・長・大)、恥骨筋などがあります。

股関節を内転させる筋肉は、股関節を外転させればストレッチできるので、ほとんど同じ形でストレッチすることができます。

後述する薄筋ストレッチも、薄筋とともに内転筋群をストレッチできる形です。

股関節を内転させる筋肉



薄筋の膝関節の屈曲の補助

薄筋の膝の屈曲

膝を曲げる動きを屈曲と言います。薄筋は膝の屈曲の補助筋の一つです。

薄筋は膝を曲げるハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)のような力強い筋肉とともに働きます。

薄筋の膝を屈曲させる力はわずかなものですが、ハムストリングスの働きを安定させる、方向性を定める働きを持っています。

膝を曲げる筋肉



重心や体軸の安定には太ももの内側の筋肉が大事

薄筋は他の内転筋群とともに股関節を内転させる筋肉です。

内転する力というのは日常ではなかなか使いませんが、あらゆるスポーツや運動では身体の重心や体軸を定める重要な役割をします。

下肢を内側に絞るような動き、太ももの内側を内転する方向にグッと力を込めた状態って身体の力(気)を使う上でとても重要な働きです。

内転筋ストレッチにてご紹介している内容ですが、

内転の動きと気の使い方

腕も足も内側に絞り込む動き、力の入れ方が一番効率的に最大の力を発揮できます。

手も足も内転、内旋させる動き、これができるから重心や気の中心点である丹田、その延長上の体軸が安定するんですね。

内側向きの力がこめられるから体幹が安定して力が逃げないのです。重心や体軸が安定しているから、方向性をもった力を伝えることができるんですね。

意外と重要な薄筋の働きです。ご興味のある方は、この薄筋ストレッチと合わせて気の原理や気を鍛える方法もご参考ください。

5つの気の原理
気を鍛える方法

薄筋ストレッチ

薄筋はその働きの反対の動き、股関節の外転と膝関節の伸展でストレッチすることができます。

薄筋の起始部を集中してストレッチできる形と、薄筋全体をストレッチできる形、2つの薄筋ストレッチをご紹介します。


ストレッチのコツ

ストレッチのコツ、筋肉の柔軟性を回復させるコツは実は呼吸にあります。

ストレッチはうんうんと頑張って行っても準備運動くらいの効果しかありませんが、呼吸を上手く使って行うと神経の緊張を鎮め筋肉の深部からリラックスさせて柔軟性を回復させることができます。

ストレッチのコツ:腹式呼吸・完全呼吸のやり方

息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。

腹式呼吸とは横隔膜を上げ下げするようにお腹を膨らましたりへこませたりする呼吸法です。

腹式呼吸のやり方

お腹がへこむように横隔膜を挙げて、口から息を全部吐き出します。

腹式呼吸のやり方

お腹が膨らむように、横隔膜を下げて、鼻から息を吸います。

深い呼吸が苦手な人は、ストレッチの前にお腹に手を当てて少し腹式呼吸だけして心身を落ち着かせてみてください。

この腹式呼吸に胸式呼吸を合わせたものが完全呼吸です。

    1. まず息をゆっくり完全に吐きます。
    2. ゆっくり腹式呼吸をしてお腹を膨らませます。
    3. 更に胸や肋骨を広げるように息を吸い続けます。
    4. 胸がめいいっぱい広がったら肩を上げるようにして息を吸い続けます。
    5. めいいっぱい吸ったら、口からゆっくりと限界まで息を吐いてください。
    6. この完全呼吸を10回ほど繰り返すだけでも、胸が広がり下腹部の内臓のマッサージにもなります。
    7. ストレッチもご紹介するストレッチの形をとり、10回ほど完全呼吸をしてみてください。

コツは息を吸うときに背骨を伸ばすようにして、息を吐くときはできるだけ身体の力を抜くと、ストレッチしているスジが息を吸うたびに更にストレッチされます。

ご紹介する薄筋ストレッチの形をとり、この完全呼吸をすることを心がけてください。

更に詳しくはストレッチ効果を高める腹式呼吸をご参考ください。



薄筋ストレッチ(起始部)

薄筋だけでなく他の内転筋群もストレッチできる形ですが、薄筋の起始部、恥骨周辺のスジをストレッチするのに最適な形があります。

プロ野球の選手などがよく行うのを見ますが、立って行えるので競技前のウォーミングアップにも最適です。

薄筋ストレッチ

まず足を開いて

立って行う薄筋ストレッチ

ストレッチする方の太ももを手で圧していき、腰から上をしっかり反対側にねじります。太ももの付け根の薄筋を意識して完全呼吸を行います。

上記の薄筋ストレッチは膝に当てた手でストレッチする側の膝を押し出して、腰から上はストレッチする足と反対の方向にねじるのがコツです。

上記の姿勢で完全呼吸をすると、息を吸うたびに更に恥骨筋ストレッチが深まるのが感じられるハズです。

膝を伸ばして行う薄筋ストレッチ

床で行う薄筋ストレッチもあります。

膝下の薄筋までストレッチできる形ですが、膝を完全に伸ばして行うのがコツです。

また、膝を痛めないように膝から下はねじれないようにしてください。

薄筋ストレッチ

ストレッチする側の股関節を横に伸ばし、太ももの付け根を床に向かって圧していきます。薄筋を含め太ももの内側が気持ちよくストレッチできる形です。

これも上記の姿勢をとり完全呼吸をすると、息を吸うたびに更に薄筋がストレッチされるのを感じることができます。

背骨を上に伸ばすように息をするのがコツです。


まとめ

ebisu-seitai
ご紹介した薄筋ストレッチは上手くできましたか?

スジのコリを取り柔軟性を回復させるにはツボ圧しなども大変効果的なのですが、薄筋のような太ももの内側のスジって自分では圧しにくいのでツボのご紹介は割愛させていただきました。

薄筋のような太ももの内側や身体の深部にある筋肉は直接には施術できないので、ストレッチのような運動療法でしかケアできないんですね。

太ももは前面、後面、外側、そして今回ご紹介した内側、4つの面があります。

太もも全体をケアしたい方には4つの太ももストレッチがお役に立てると思います。



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