冷えとりの瞑眩(めんげん)反応

冷えとり

瞑眩(めんげん)反応について

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瞑眩(めんげん)とは、瞑眩反応とも呼ばれます。施術や冷えとりにより身体がより健康になって、今まで冷えや瘀血(おけつ)という状態で出すことができなかった老廃物や毒素が、気の滞りがとれ排毒機能が活発になり、老廃物や毒素、いらないエネルギーを活発に出そうとしている身体の状態、反応です。

鍼灸や指圧などの施術後、また漢方や自分で冷えとりをして血行が活発になるとでやすい反応です。好転反応とも呼ばれています。

瞑眩のときは少し変わった症状が出たりもします。逆に身体が悪くなっているんじゃなかろうか、と心配、不安のもとになりますので、ここでは瞑眩の特徴や、瞑眩を軽くする方法などお伝えしたいと思います。

瞑眩とは?

瞑眩・スポーツでのエネルギーの発散

普段からスポーツ、運動でのエネルギーの発散というのも大事ですね。

瞑眩・感情の発散

また、日頃から感情の発散というのも大事です。感情もため込みすぎると瞑眩のように一気に爆発して出ることになりかねません。

普段でも私たち身体は、老廃物、毒素、余分なエネルギーを排出、放出しています。

汗や排泄物などモノばかりではなく熱というエネルギーも放出していますね。熱がからだにこもりすぎては焼き切れてしまいます。車と同じでしっかりと排熱しないとオーバーヒートになってしまいます。

冷えや瘀血(おけつ)とは、これらの排出がうまくいっていない状態であり、新鮮な栄養と酸素は体中に行きわたらず、老廃物は排出されにくい状態です。。

冷えや瘀血という状態で停滞気味だった、血液やリンパ、神経の流れなどの身体の循環。

これが足を温めたり、半身浴をしたりして頭寒足熱という状態を作ることにより、気の滞り、身体全身の循環が回復していきます。

また鍼灸や指圧などの施術で気の滞りが回復していくと、今まで溜まっていた老廃物や毒素、エネルギーを排出する働きが活発になり、冷えや瘀血、気の滞りが改善していくある段階で身体にとって余分なもの、毒素や老廃物を一気に出そうとしている状態、それを東洋医学では瞑眩と呼んでいます。

好転反応、積極的自然治癒反応とも呼ばれています。

普段から、老廃物もエネルギーも感情も、余りため込まずに発散できていれば問題はないのですが、人間の身体は冷えや瘀血で循環が悪くなりやすく、ついついため込んでしまいます。ため込んだものはいつか出さなければならないのですが、ため込んでいた人ほど、長く我慢していた人ほど、激しく一気に出そうとします。そのとき身体に起こる症状が瞑眩です。

ため込んでいたものを、老廃物などのモノとして、熱などのエネルギーとして、または痛みとして、感情的な爆発として出していくのです。

瞑眩の症状

瞑眩の症状・汗吐下(かんとげ)
東洋医学では、汗吐下といって浅い毒は汗で、中くらいの毒は吐いて、深い毒は下して出すといいます。実際に瞑眩の時にも、今までかいたようのない汗をかいたり(なめてみると苦かったりします)、変なものを食べたわけではないのに吐いたり、下したりすることもあります。

鼻水が異様にでたり、痰が止まらなかったり、女性なら月経時に、今までにないおりものや黒い血を出すこともあります。瞑眩は排毒反応ですから、出る症状が主なのですね。

モノだけではなく、いらなくなったエネルギーを熱として出すこともあります。風邪や細菌、ウィルスのせいではないのに発熱したり、炎症を起こしたり、身に覚えがないのに関節が痛くなったり、腫れたりもします。昔の古傷が痛むということもあります。昔に患った症状、薬で抑え込んでいた症状がでたりもします。

女性に嬉しい瞑眩効果・ダイエット効果

冷えとりのダイエット効果

ダイエットが冷えとりの目的ではありませんが、身体の循環が良くなることで、体重は減ってきます。


冷えとりをやっていると確実に体重は落ちます。それは人間の体は大半(成人で体重の60%!)は水分であり、冷えや瘀血という状態は、水分が出せない状態、水毒という状態だからです。頭寒足熱を心掛けることにより循環、代謝は活発になり、余分な水分は排出されます。

しっかりと冷えとりをしていると面白いと思いますよ。病的なくらい体重が落ちる方もいます(私もそうでした)。

そして体重が落ちた後、健康になり骨が丈夫(骨密度が高まる)になってくると、少し体重は増えます。骨がしっかりして重くなってくるんですね、健康な状態だと。

ダイエットにお気を遣う女性は、体重の数字ばかりではなく、中身に注目してほしいものです。体重が軽くても中身がすっからかんではしょうがないですもんね、骨がスカスカでは。


精神的な瞑眩

精神的な瞑眩

こういうのもある意味、瞑眩ですねぇ(笑)。普段からため込まないように注意しましょうね。


また肉体の出す症状ばかりだけではありません。精神的にも変化を体験する方もいらっしゃいます。精神的な瞑眩ですね、東洋医学はからだもこころも分けては考えていないのです。

今まで抑え込んでいた感情が出る方もいます。何でもないのに急に悲しくなったり、怒ったり、何かを無意識が追体験しているんですね。

症状ということでなくても、何か象徴的な夢を見るとか、啓示的な夢を見るとか、今までのモノの見方が変わるような神秘体験というのもあります。

こういう状態には、断食や修行の末になる方もいらっしゃいますよね。

長期間の断食などでは多いそうです。身体が変わるとき、それは今までの古い自分のパターンが変わるときでもあるのですね。

出す原理

以前、腹式呼吸のやり方で説明したように物事は出すのが先です。出さなければ新しいものは入ってこれませんから、からだもこころも変化の時は、まず出すというのが必要なのです。

これは様々な健康法にも通じるコトです。一般的には、栄養だとかサプリメントだとか健康食品だとか、みんな自分に都合のいいものを取り入れようとしますが、古いものが出ていかなければ新しいものは入ってこれないんですね。

人間のエゴなんですけどね、自分に都合のよいものばかり取り込もうとするのは。悲しいエゴ…

で、出すことに関しては、インドの医学アーユルベーヴェーダが先駆者です。浄化の医学とも呼ばれるアーユルベーヴェーダですが、瞑眩と同じように、まず体内の浄化のプロセス、施療があり、そのあとに滋養のある物を取っていくことがスタンダードになっています。浄化の前に滋養のあるものを食べても身になりにくいということですね。


浄化の医学アーユルベーヴェーダ

瞑眩と通じる浄化の医学

インドは、スパイスに代表される、漢方と同じような医食同源の文化です。日常に医食同源が根付いています。そして浄化の療法もまた豊かなのです。ため込む前にどんどん出そうとします、予防医学の鏡ですねぇ。


東洋医学には浄化という概念はあまりないです。私達、東洋人は急激な変化を嫌うんですね。アーユルベーヴェーダほど浄化の療法も発展していません。ゆっくり頭寒足熱を目指して気の巡りを良くしていこうなんですね、基本のスタンスは。

これがアーユルベーヴェーダだと積極的に毒素を出そうとします。主にオイルを使って浣腸したり、オイルを飲んだりして吐くのを繰り返したり、積極的なんですね(笑)。断食もスタンダードです(笑)。

ヨガでも塩水で鼻洗浄をしたりしますね。鼻洗浄はとても気持ちがいいです、慣れると病みつきになりますね。花粉症にもよいとされていますが、初心者の方はしっかりとしたヨガの先生のもとで学んでください、鼻から塩水を吸うので少しコツがいります。頭に水が行っては危ないともされています。

あぁ、でもアーユルベーヴェーダでも浄化の療法は、比較的に健康な人向けです、浄化のプロセスに耐えれる体力のある人向けです。体力のないとき、病人やお年寄りには浄化のプロセスが体力を損なうことにもなりますから厳禁です、当たり前ですけど。

欧米でも腸内洗浄がありますけど、あれもアーユルベーヴェーダが元ですね。オイルマッサージというのも、リンパの流れを良くして老廃物を出しやすい状態にするのが目的です。気持ちいいのが目的ではないのですね。

医学も民族性、地域性があって面白いものです。

プチ断食や自分でのオイルマッサージなら個人でやっても問題はありませんが、本格的な断食や浣腸などは専門家のもとで行ってくださいね。ここに書いたからって私は責任持てません(笑)。

瞑眩の特徴

瞑眩の特徴・眠い…

瞑眩の特徴の一つでもある、眠気とだるさ。

いろいろと出る症状が特徴ですが、症状はあるけど体調が良い、異様に眠たい(身体が休息を欲しがっているのです、休息時に排毒能力は高まりますから、身体が排毒したがっているのですね)、痛みや症状があっても心は晴れ晴れとしている、出して気持ちがいいような状態が特徴です。

瞑眩が起きたら

瞑眩の時は、休息が第一です。冷えとりは続けてください。せっかくの機会だと思って、心機一転出そうではないですか、古いものは。

女性などは、普段から自分の体調の変化を感じやすいですから、瞑眩が起きたとき直感的に「あぁこれは身体の正常な反応なんだ」と思うことがあるかと思います。

男性はダメですね。月の変化もないですし、普段からあまり自分の身体に意識を向けていない。瞑眩の時に焦ってすぐ冷えとりを辞めたり、薬で症状を抑え込もうとしてしまいます。ダメね、男って。

瞑眩かな、と思ったら焦らず経過を観察してください。心の変化もあるかもしれません。

心身が変化していくときは痛みや症状を伴うことがあります、それが瞑眩なのですが、鍼灸や指圧など施術をお受けになっている方は、自分で悩まず、担当の施術家にご相談ください。

瞑眩かどうかの判断

激しい瞑眩を引き起こすもの・部分的な治療

下半身の気の滞りを改善しないで、上半身や頭部、肩だけとかの施術、治療は、激しい「のぼせ」のもとになります。

よく施術ではあることかと思いますが、下半身の気の滞りを解決せず、上半身だけ施術したり、また温めたり、強い刺激を与えてしまったときには、頭寒足熱とは反対の「のぼせ」を助長することになります。

のぼせとは上半身、頭の充血状態ですから、このような「のぼせ」の状態が生み出す症状は瞑眩ではありません。

誤療であり、刺激を与えるところを間違っているためです。

これは、全身の気の滞りを解決せず、部分だけに施術した時に起こりやすいものです。

瞑眩とは頭寒足熱という状態、気の滞りのない状態を作った末、からだの毒素、老廃物が出やすくなるということですから、のぼせがあるようなときは瞑眩ではありません。

瞑眩を軽くする方法

実は瞑眩が起きたらあまり緩和法はないのです、ごめんなさいね、お力になれなくて。

私の経験からなのですけど、瞑眩の時に普段は痛みなどには即効性のあるツボ療法はあまり効果がないのです。もちろん全身の気の滞りをとる、整えるという効果はありますが、それは瞑眩を促進することですからね。

その代わり、瞑眩が起こる前に、手足の末端までしっかりツボを圧して、末端まで気の滞りをとると激しい瞑眩は起こりにくく、軽度の症状ですむことがあります。

瞑眩を軽くする方法

手足の末端までツボを圧して気の滞りをとります。

瞑眩の起こる前に的確な施術が大事なのです。

あと恵比寿整体院では、腹部経絡への施術も丁寧に行っています。お腹は気の流れの中心であり、お腹を丁寧に施術することが激しい瞑眩対策にもなっているようです。お腹に気の滞りがあるとその分、部分的な激しい瞑眩が出るようにも感じています。


瞑眩まとめ

瞑眩は少し変わった症状の出るときですから、焦ったり心配になりがちです。焦らず自分の身体と対話してみてください。瞑眩の時は症状があっても不思議とどこか心に余裕があるものです。症状があっても生き生きとしたエネルギーを感じるとか、症状があったり痛かったりするのに晴れ晴れした気持ちであるとか、消耗感がないという感じもあると思います。

痛みや症状で体力的に精神的に消耗しているなっと思ったら瞑眩ではないかもしれません。消耗しているなという感じでしたら、東洋医学の専門家にご相談ください。

まっとうな東洋医学の治療家や冷えとりをアドバイスなされる方は、瞑眩への知識もありますから、施術時などでもご説明があると思います(逆にないのはダメですね)。





ebisu-seitai
私は、冷えとりは東洋医学の施術と併用していくことがより効果的だと考えています。鍼灸や指圧、漢方、整体などでも的確な気の流れ(経絡)とツボへの施術ができれば激しい瞑眩は起きませんし、安心です。慢性的な症状の改善をお望みならば、冷えとりは専門家のもとでやることが最適かと考えています。

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