股関節ストレッチと鍛え方

ストレッチ 股関節

股関節ストレッチと鍛え方・トレーニングとセルフケアを徹底解説!

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Contents

股関節ストレッチと鍛え方を徹底的に解説したいと思います。

力強い股関節、柔軟性を持った股関節を作りたい方は、ぜひご紹介する内容を実践してみてください。

自分の身体、股関節に理解が深まるよう機能解剖的なこともご紹介しますが、解剖学的なことがめんどくさい方はそのようなところは飛ばして、股関節ストレッチと鍛え方のやり方をご参考ください。

ebisu-seitai
ど~も、恵比寿整体院の内山です。

ご要望の多い股関節ストレッチと鍛え方の解説ですが、恵比寿整体院でも股関節の痛みや違和感、股関節を柔らかくしたい、などのご相談はよく頂きます。

私自身も股関節の症状への施術は得意な分野ですし、そのような股関節の症状をセルフケアできるツボなどもついでにご紹介していきたいと思います。

また股関節は力強い身体の動きを引き出せる部位です、力強い身体の動きを引き出すためにも股関節の使い方、身体と気の原理を知っおいてソンはありません。

股関節のトレーニングとセルフケアなどを含め、股関節を徹底的に解説していきたいと思います。



股関節の構造

股関節は英語で「Hip joint」、直訳ならお尻の関節ですかね?

私的にはお尻の関節という感じではなく、体幹と足の関節という感じなんですけど、股関節とはここ↓

股関節の場所

股関節・Hip Joint

大腿骨が骨盤のくぼみにハマり股関節を形作っています。

股関節を構成する大腿骨

こんなんが…

太ももと股関節

あんなところにスポッとはまっている。

参考リンク:・股関節骨盤大腿骨


股関節を形成する大腿骨

股関節の骨格

右足前方からみた下肢の骨格。股関節を形成する大腿骨は漫画に出てくる肉付きの骨のような感じですね。

股関節を形成する大腿骨、太ももの骨は一本でその下に「弁慶の泣き所」と言われるすねの骨である脛骨とその横に腓骨があります。

腕も同じ構造ですね、股関節のように上腕骨が一本あり、前腕は二本の骨(橈骨と尺骨)です。

このような構造だからこそ手先や足先をねじるような複雑な動きができるのです、身体って上手くできていますね。

大腿骨の横の出っ張りは大転子といい、自分でも股関節の横で触診できる部分です。

大転子

大腿骨の大転子、プロポーションにも関係する部分ですね。

股関節を動かす筋肉が多く付着する大転子ですが、その筋肉の緊張が大転子を引っ張ったり、反対にその筋肉が弱ければ大転子が正常の位置に維持できずに、大腿骨がねじれたような状態になってしまいます。

股関節を動かす筋肉の緊張や弱さが、がに股のように足が外側に向いて開いてしまったり、反対に内側に内旋してしまったりする原因になります。

矯正的な整体などでは、この大転子の傾きを矯正していったりもします。

股関節ってプロポーションや姿勢にも深く関与する部分で、大転子はその目安になるような部位です。

後述する股関節ストレッチやツボなどは、股関節を動かす筋肉の緊張をとり大転子を正常な位置に安定させる効果もあります。

あと、膝の間に隙間ができてしまうO脚というのは主に太ももの内側の筋肉の緊張ですから、O脚の場合は太ももストレッチなどがお役に立てると思います。


意外と知らない骨盤事情

股関節を形成する骨盤は左右の寛骨と仙骨の構造です。

股関節を構成する骨盤

左右の寛骨と仙骨が作る構造を骨盤と言います。

骨盤は骨盤帯とも言いますが、更に股関節を形作る寛骨は腸骨・恥骨・坐骨の総称です。

腸骨恥骨坐骨は子供のときは別々の骨で成長とともに融合して寛骨となります。

こういうのがねぇ、自分の身体への理解を難しくしているんですね、解剖学って難しい漢字も多いしね。

股関節を動かす筋肉は、腸骨・坐骨・恥骨から大腿骨に付着するものが多くあります。


力強く安定した股関節

股関節は可動性のある関節で、肩関節と異なり股関節は骨格の構造により強く安定が保たれている関節のため、亜脱臼や脱臼は股関節では比較的起こりにくくなっています。

もちろん、遺伝的な要因や事故やケガ、老化などで股関節の問題が起こることもありますが、股関節自体は強力な筋肉や靭帯で保持され、構造自体は問題の起こりにくい関節です。


問題の多い鼠径部

股関節自体はその構造上安定しているのですが、股関節を動かす筋肉などは鼠径部をとおり、股関節を動かす筋肉の緊張や弱さが鼠径部の違和感や痛み、シコリなどとして現れることがよくあります。

股関節の前部の鼠径部とはここ↓

股関節の前部の鼠径部

股関節の前部の鼠径部

ここには鼠経靭帯があり、その鼠経靭帯の上下を股関節を動かす筋肉や血管や管が数多く走行しています。

体幹(下腹部)と足の境目なんですね、鼠径部って。

鼠経靭帯

鼠経靭帯。この下を大腰筋や血管などがが走行しています。

大腰筋が走行する鼠径部

鼠径靭帯の下には大腿動脈、大腿静脈、股関節を動かす大腰筋を含む腸腰筋などが走行しています。

後述する股関節を動かす大きな筋肉である腸腰筋(大腰筋)はこの鼠経靭帯の下を走行していますが、鼠経靭帯と骨盤の隙間ってやけに狭いんですね。

また鼠経靭帯の上には鼠経菅が走行して男性なら睾丸に続いています。

このような鼠径部を貫く管の隙間から腸が出てしまうのが脱腸(鼠経ヘルニア)です。

股関節は構造上は安定した関節ですが、鼠径部は構造上少し弱いというか身体の作り上、弱点のような部分なんですね。

これは人間が直立歩行を始めた時からの宿業なのかもしれませんね、鼠径部の問題は。

もしここら辺の構造がもうすこし自由だったら股関節を動かす筋肉も十分に力を発揮でき、人間も同じくらいの体格の動物のように簡単に2~3mジャンプできたりしたかもしれません、私の妄想ですが。

歴史にIFを用いるのは、進化にIFを用いるのはナンセンスですが、「もし、こうだったら…」と考えると今の人間の身体の構造に落ち着いたのが不思議でたまりませんね。

そしてこれからは人間が積極的に自ら身体を作り替えていく時代になるでしょう。
(もう始まっていますが…)


鍛えてほしい部位

股関節の動きは体幹を動かす動きにも関与しますが、特に下半身と体幹はある程度は鍛えないと日常生活にも支障をきたす部位でもあります。

地球上では重力という負担がありますから、やはり足腰はある程度は使って鍛えないとね。

また足腰が充実していないと全身の血行不良を招き、下半身の冷え・上半身ののぼせを助長させてしまいますから、冷えやすい女性などは特に足腰を鍛えてほしいところです。

まず大事なのは腹筋と背筋、これは体幹の裏表の関係にある筋肉で力強い体幹の動き、特に腰の動きに関わる部位です。

あと、太ももの前面のジャンプ筋ともいわれる大腿四頭筋。

そして後述するご紹介する股関節を動かすメインの筋肉である腸腰筋(大腰筋)。

何から鍛えていいか分からない方は、まずこの4つの部位を鍛えたりケアしていくのがいいかと思います。


股関節の動き

股関節の動きは主に6つの動きがあります。

身体の動きは対になる動きで構成されていますので3対の動きですね。

股関節の動き:

  • 股関節の屈曲と伸展
  • 股関節の外転と内転
  • 股関節の外旋と内旋

実際にはこれらの動きの複合したものになりますが、股関節の動きを解説するとこんな感じ。


股関節の屈曲

屈曲する股関節の動き

股関節を前方に動かす動き、足を上げる動きを股関節の屈曲と言います。腸腰筋(大腰筋)などが股関節を屈曲させる筋肉です。

一般的な股関節の可動域は屈曲が0~130°です。

屈曲は、股関節の動きの中で一番多く動く動きです。


股関節の伸展

伸展の股関節の動き

股関節を後ろに動かす動きは股関節の伸展です。

一般的な股関節の可動域は伸展が0~30°、あまり股関節は後ろには動かないんですね。


股関節の外転と内転

外転する股関節の動き

足を外に動かす動きが外転です。

内転する股関節の動き

太もも、足を内側に振るような動きを内転と言います。

一般的な股関節の可動域は外転が0~45°、内転が0~30°です。


股関節の外旋と内旋

外旋の股関節の動き

股関節を外に開くような動きを外旋と言います。

内旋する股関節の動き

股関節を内側にねじりこむような動きを内旋と言います。

一般的な股関節の可動域は内旋が0~45°、外旋が0~50°です。

やっていただくと分かりますが内旋には力が入りやすく、外旋には力の入りにくい動きです。


身体と気の使い方は知っておいてソンはない

股関節の動きを解説しましたが、実は股関節の動きって少しのコツを知っておけば重宝するモノなんです。

身体と気の使い方には、こうすれば力が入りやすい、こうすれば最小の力で最大の力を発揮できる、こうすれば無駄な動きをしないで正確に力を伝えられる、という原理がいくつかあります。

セミナーなどでも指導しているものですが、いくつか股関節に関わるからだと気の原理をご紹介しておきます。

少しのコツを知っておくとで動きがプロっぽく見えますので、長い人生何かとお役に立つハズ。


全身に力の入る股関節の使い方

全身に力が入る股関節の使い方というものがあります。

それは股関節の内転と内旋の動きです。

股関節の動きと気の使い方

腕も足も股関節も内側に絞り込む動き、力の入れ方が一番効率的に最大の力を発揮できます。足の親指の付け根を踏みこむようにする動きですね。

古来の武道でもこのような力の入れ方が防御には最適だと聞いたことがあります。

実際にやっていただきたいのですが、股関節と腕を内側に内旋すると全身にギュッと力が籠めやすいと思います。

で、股関節と腕は内側に絞りますが、踏むのはここ↓

足首と親指の付け根

親指の付け根の骨の部分、ここに一番力を入れやすいんですね。ここを軸に力(気)を伝えられるようになるよう修練をします。

支点がなければ股関節に力を入れられませんもんね、足の親指の付け根って一番踏みやすいんです。

というか、身体の構造上ここしか正確に力を伝えられません。

後述する「踏む」という動きもここで踏み込んでください。

股関節だと分かりにくいかもしれませんが、腕も両手で雑巾を絞り込むような動きが一番力を発揮できます。

手足は内側にらせん状に絞るような動きで最大の力を発揮でき力の伝わるラインに隙間ができないので、武道や芸能などでは積極的にこの動きを修練します。


力が抜ける股関節の動き

あと、力がこめられる股関節の動きがあれば、反対に力がこめられない股関節の動きもあります。それは先ほどの動きの逆です。

力の抜ける股関節の動き

力の抜ける股関節の動き。足首と腕、股関節を外向きに動かす動きでは力は逃げます。

腕や股関節を外にねじるような動きでは力が籠められないハズです。

先ほどの内側に絞る動きと外側に開く動きを比べていただければ実感しやすいかと思います。


股関節を意識的に曲げると重心と体軸は安定する

上記の内側に絞るような股関節と腕の動きで腰を落とすと、重心と体軸がぶれません。

両足で踏み込んでいるから体軸と重心が安定して、更に方向性を持った力が発揮できるんですね。

股関節の使い方

股関節と腕を内側に絞りこむようにして腰を落とすと体軸と重心はぶれません。

これがただ腰を落としている状態だと、体軸と重心は安定せず方向性を持った力も発揮できません。


ストレッチも意識的に股関節を曲げると上手くいく

あと股関節を意識的に曲げていくことができるようになると、必ず全身運動になります。

腰を落とす時に膝だけで曲げようとするから、膝だけに負担がかかり膝を痛めてしまうんですね。

股関節を曲げるコツ

腰を落とす時は、膝ではなく股関節を意識して曲げるようにします。

タントウコウの姿勢

股関節がうまく曲がらないと背骨が前傾して反対にお尻が出てバランスを取ろうとしてしまいます。

股関節を意識的に曲げられないから「へっぴり腰」になってしまうんですね。

後述する前屈する股関節ストレッチやスクワットなども意識的に股関節を曲げるように行わなければなりません。

特に前屈するようなストレッチでは意識的に股関節を曲げると狙った筋肉や部位がストレッチしやすくなります。

股関節の使い方のコツ

股関節を意識して曲げていくようにするのが前屈ストレッチのコツです。

私は施術前に経絡ストレッチという補助付きのストレッチを行っているのですが、皆さん前屈というと背中と首を丸めるだけの方が多く、あまりストレッチしたい場所を伸ばせないんですね。

そういう方には「お腹を太ももに近づけていくようにすると腰がうまく曲がりますよ」とアドバイスします。

このように股関節を意識的に曲げてお腹を太ももに近づけていくようにすると、とても深く前屈ストレッチが行えるはずです、お試しください。


気の原理や気を鍛える運動もある

少しばかり体と気の原理をご紹介しましたが、気の原理は5つあり鍛錬法もあります。

合気道などでもこの原理を使い身体を動かすと、簡単に受け手を倒すことができるようになります。

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セミナーでは正確にツボや経絡への施術ができるようになるために、身体と気の使い方を徹底的に学んでいただいていますが、下記にてまとめてありますのでご興味のある方がご参考ください。

5つの気の原理
気を鍛える方法


股関節を動かす筋肉

股関節を動かす筋肉は比較的大きい筋肉です。

各筋肉の解説にて詳細な機能解剖やストレッチをご紹介していますが、ここでは股関節を動かす筋肉を位置的に分類しておきます。


筋肉には初めと終わりがある

筋肉には初めと終わり、主に2つの付着部があります。

体幹側の付着部を起始(きし)、遠位側の付着部を停止(ていし)と呼びますが、主に大腿骨を動かす筋肉なので骨盤や腰椎に起始を持ち大腿骨に停止を持つ筋肉がほとんどです。


股関節を動かす筋肉の位置的な分類

筋肉の働きと位置的に筋肉を分類すれば、股関節を動かす筋肉は理解しやすいと思います。


前方

股関節を屈曲する筋肉は主に身体の前方にあります。

筋肉の位置:
前方

股関節の動き:
主に股関節の屈曲

筋肉:

大腿直筋は大腿四頭筋を構成する4つの筋肉のうちの一つなので、大腿四頭筋自体も膝の動きとともに股関節の動きに関与する筋肉です。


後方

股関節を伸展する筋肉は主に身体の後方にあります。

筋肉の位置:
後方

股関節の動き:
主に股関節の伸展

筋肉:

太ももの後ろの筋肉である大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋は総称してハムストリングスと呼ばれます。


外側

股関節を外転する筋肉は主に身体の外側にあります。

筋肉の位置:
外側

股関節の動き:
主に股関節の外転

筋肉:



内側

股関節を内転する筋肉は主に身体の内側にあります。

筋肉の位置:
内側

股関節の動き:
主に股関節の内転

筋肉:

太ももの内側にある内転筋群は股関節の内転の動きに関与し、先述した内側に絞り込む股関節の使い方に深く関わる重要な筋肉です。


とりあえずこの筋肉は覚えてほしい

とりあえずビール、じゃなくてとりあえず股関節を動かす主役の筋肉を覚えてください。

股関節を動かす筋肉は先述したようにたくさんありますが、主役は腸腰筋(大腰筋)です。

腸腰筋

大腰筋、小腰筋、腸骨筋。3つ合わせて腸腰筋(ちょうようきん)

大腰筋などは体幹トレーニングなどで有名ですが、大腰筋腸骨筋小腰筋を総称して腸腰筋と呼びます。

腸腰筋は腰椎と骨盤から大腿骨に付着して、主に股関節を屈曲させる筋肉です。

腸腰筋、特に大腰筋は腰椎に付着するので、腰の問題や姿勢、体幹の力強さに深く関与する筋肉です。

股関節を動かす大腰筋

腰椎から大腿骨に付着する股関節を動かす大腰筋。

身体の中心の筋肉なので、ストレッチもまずはここから行ってほしい部位です。

身体の中心をストレッチできれば他の部位も緩めやすいので、大腰筋ストレッチなどはこのブログでも一番のおススメストレッチです。

基本の股関節ストレッチも大腰筋ストレッチと同じ形になります。

基本の股関節ストレッチのコツとやり方

では、やっと股関節ストレッチ実践編スタート。

まずはストレッチのコツと基本の股関節ストレッチを2つご紹介します。

まずこの2つの股関節ストレッチを基本にして更に股関節ストレッチを深めたい方は、開脚する股関節ストレッチや内転筋群の股関節ストレッチを加えていってください。


股関節ストレッチのコツ

ストレッチはガンバってうんうんと行っても準備運動くらいの効果しかありませんが、深い呼吸を合わせて行うととても深くまで筋肉やスジをストレッチすることができます。

股関節ストレッチのコツは腹式呼吸と胸式呼吸を合わせた完全呼吸です。

ご紹介する股関節ストレッチの形をとり、お腹が膨らむように息を吸い、更に背骨が上に伸びるように息を吸うと股関節周辺のスジが更にストレッチされていくのを感じることができます。

完全呼吸、腹式呼吸は苦手な方も多いと思いますので、少し呼吸の練習をしてみましょう。

股関節ストレッチのコツ:腹式呼吸・完全呼吸のやり方

息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。

腹式呼吸とは横隔膜を上げ下げするようにお腹を膨らましたりへこませたりする呼吸法です。

腹式呼吸のやり方

お腹がへこむように横隔膜を挙げて、口から息を全部吐き出します。

腹式呼吸のやり方

お腹が膨らむように、横隔膜を下げて、鼻から息を吸います。

深い呼吸が苦手な人は、ストレッチの前にお腹に手を当てて少し腹式呼吸だけして心身を落ち着かせてみてください。

背骨を伸ばすように息を吸うだけでも背骨が気持ちよくストレッチできますよ。

この腹式呼吸に胸式呼吸を合わせたものが完全呼吸です。

    1. まず息をゆっくり完全に吐きます。
    2. ゆっくり腹式呼吸をしてお腹を膨らませます。
    3. 更に胸や肋骨を広げるように息を吸い続けます。
    4. 胸がめいいっぱい広がったら肩を上げるようにして息を吸い続けます。
    5. めいいっぱい吸ったら、口からゆっくりと限界まで息を吐いてください。
    6. この完全呼吸を10回ほど繰り返すだけでも、胸が広がり下腹部の内臓のマッサージにもなります。
    7. ストレッチもご紹介するストレッチの形をとり、10回ほど完全呼吸をしてみてください。

コツは息を吸うときに背骨を伸ばすようにして、息を吐くときはできるだけ身体の力を抜くと、ストレッチしているスジが息を吸うたびに更にストレッチされます。

ご紹介する股関節ストレッチの形をとり、この完全呼吸をすることを心がけてください。

更に詳しくはストレッチ効果を高める完全呼吸をご参考ください。


ご紹介するストレッチはこの完全呼吸を使い反動をつけずにゆっくりとした動きで行ってください。

反動をつけたり無理矢理力任せにストレッチを行っても筋肉やスジを緩める効果はありませんし、スジを痛めてしまう原因にもなりかねません。


基本1・伸展する股関節ストレッチ

まずは股関節ストレッチの基本1、伸展する股関節ストレッチのご紹介です。

股関節の伸展のみならず、腹筋やお腹の中、腰までストレッチできる形でこのブログでも一番におススメしているストレッチなので是非ともモノにしていただきたい。

この股関節ストレッチは特に身体の前面、股関節を屈曲する筋肉をストレッチできます。

ストレッチできる股関節を動かす筋肉:



伸展する股関節ストレッチのやり方

この伸展する股関節ストレッチは左右別々に行います。

伸展の股関節ストレッチ

伸展の股関節ストレッチはまず正座をします。

伸展する股関節ストレッチの準備

両ひざの横の床に手をつき、ストレッチする側の片足を後ろに伸ばします。

股関節ストレッチと呼吸

股関節や腰が固くて、この辺が限界の人はここで完全呼吸を10回ほど行うだけでも股関節ストレッチが深まります。

股関節ストレッチと完全呼吸

ゆっくり大きく完全呼吸でお腹をへこませたり膨らませたりすると、足を伸ばしている側の股関節や腹筋、腰、お腹の中が気持ちよくストレッチできます。大変に気持ちがいい感覚です。背骨が上に伸びるように息を吸うのがコツです。

普通の方は上記の姿勢でも大変気持ちよく股関節がストレッチされているのを感じることができると思います。

更に股関節ストレッチを深めたい方は、膝に手を置き腰を反らすようにして天井を見上げます。

更に深い股関節トレッチ

股関節や腰が柔らかい人は、上記の姿勢から両手を膝に乗せバランスをとると、より深く股関節をストレッチすることができます。

股関節ストレッチ完成

いける人は天井を見上げるようにすると更に深くストレッチすることができます。完全呼吸をすることが大事ですので、バランスが取れない方、リラックスしてできない方は無理をせず、呼吸を深めることを心がけてください。



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この股関節ストレッチは少し意識する場所、力を抜く場所を意識するだけで違う場所がストレッチできます。

腰を反らすようにすると腰のストレッチになり、お腹を更に伸ばすようにすると腹筋ストレッチになり、股関節ストレッチを深めたいなら会陰(股の中央)を床に近づけていくようにします。

更に股関節ストレッチを深めたい場合は、靴下を使い足先を上げるようにします、こんな感じに↓

股関節ストレッチ完成形

この形はとても気持ちよく身体の中心を緩められますので、ついでにやり方をご紹介しておきます。



股関節ストレッチ完成形(笑)

股関節や腰が固い方は無理をしないで、先述した股関節ストレッチで十分に股関節の柔軟性を養ってからこの股関節ストレッチを行ってください。

深い股関節ストレッチ

すっぽ抜けないようきつめで長めの靴下をご用意ください。

深い股関節ストレッチ

先ほどと同じように片足伸ばし~の…

股関節ストレッチの準備

伸ばした足を曲げて、上半身は前を向いたまま片手で靴下を持ち~の…

股関節ストレッチ完成

まず片手で上記の形にしてから、もう片手をそえます。この状態で完全呼吸を10回ほど行うと、とても深く股関節ストレッチができます。




基本2・屈曲する股関節ストレッチ

股関節を屈曲すると股関節を伸展させるハムストリングスなどの筋肉がストレッチできます。

前屈して手が床につかないような方は明らかにハムストリングスの柔軟性不足ですので、ご紹介する屈曲する股関節ストレッチで柔軟性を養ってください。


立って行う屈曲する股関節ストレッチ

立って前屈の股関節ストレッチを行うには、腕を使うとストレッチしやすくなります。

股関節ストレッチの指の形

手の平を後ろに向けて、親指を伸ばして交差します。

立って行う股関節ストレッチ

立って肩幅くらいに足を広げ、身体の後ろで親指を交差します。

前屈する股関節ストレッチ

組んだ指のまま、膝を曲げずに全屈していきます。

上記の姿勢で完全呼吸を行います。

背中を丸めずにお腹を太ももに近づけていくようにすると、太ももの後ろのハムストリングスがストレッチしやすくなります。

上記のストレッチは身体のつながりを上手く使ったストレッチで、股関節を動かす身体の後面の筋肉や肩関節まで気持ちよくストレッチできる形です。

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股関節の伸展と屈曲、この2つの方向のストレッチを基本にして、更に次の股関節を内転する筋肉などをストレッチしてください。



開脚する股関節ストレッチ

開脚して股関節ストレッチを行う場合は、太ももの後ろのハムストリングスや太ももの内側の股関節の内転筋群がストレッチできます。


開脚する股関節ストレッチのやり方

開脚する股関節ストレッチの準備

両足を左右にできるだけ大きく広げます。膝はまっすぐに伸ばし曲げないでください。

股関節ストレッチ手順

手を組み~の…

股関節ストレッチの手順

腕を伸ばし~の…、背骨を伸ばし背中をまっすぐにします。

側屈の股関節ストレッチ

側屈。

側屈の股関節ストレッチ

完全呼吸して息を吐くたびに更に側屈。



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このストレッチも左右同じように行ってください。

体幹の側屈ストレッチとしてもご紹介している形ですが、身体の側屈はほとんどの人が偏りが強いので、側屈しにくい側を丁寧に時間をかけて行いましょう。




内転筋群の股関節ストレッチ

股関節ストレッチの基本として伸展と屈曲ストレッチ、股関節の開脚ストレッチをご紹介してきましたが、更に股関節を内転する筋肉、太ももの内側の筋肉をストレッチしましょう。

股関節を内転する筋肉は日常ではほとんど使わないのですが、先述したように股関節を内転する動きはとても重要なので意識的にケアしたりする必要があります。


立って行う内転筋ストレッチ

先ほどの開脚する股関節ストレッチも内転筋群をストレッチできますが、特に内転筋をストレッチする場合は立って行います。

股関節の内転筋ストレッチ

まず足を開いて

立って行う股関節ストレッチ

ストレッチする方の太ももを手で圧していき、腰から上をしっかり反対側にねじります。

上記の内転筋ストレッチはよく野球選手などが行うのを見かけますね、コツは膝と股関節を90度に曲げストレッチする足と反対の方向に上半身をねじることです。


床で行う内転筋ストレッチ

座って足の裏を合わせて行う内転筋ストレッチもあります。

座って行う内転筋ストレッチ1

床に座って膝を開き、足の裏をくっつけます。

内転筋ストレッチ2

写真のように両手の四指を足の間に挟みます

内転筋ストレッチ完成

そのまま前屈していきます。肘を床につく人はつけるように、固い人はできるだけ股関節を開いて前屈していきます。

上記の股関節の内転筋群のストレッチも完全呼吸をしながら行うと息を吐くたびに身体が緩まり、息を吸うたびにストレッチが深まるのを感じることができると思います。


補助付きの股関節ストレッチ

ご紹介した股関節ストレッチのいくつかは補助をつけて行うこともできます。


内転筋ストレッチの補助

股関節の内転筋ストレッチの補助

恵比寿整体院では施術前に気の流れ(経絡)をストレッチする目的で行っていますが、筋肉や関節のストレッチとしても経絡(気の流れ)のストレッチとしても補助があるとセルフストレッチよりとても深くストレッチでき、なかなか好評なのです。

施術家さんたちは経絡ストレッチの補助のやり方がお役に立てると思います。


股関節の鍛え方

では、股関節ストレッチは終わりにして股関節の鍛え方をご紹介しますが、ご紹介した股関節ストレッチでも柔軟性を養いながら十分に股関節を動かす筋肉を鍛えることができます。

更に股関節を鍛えたい方はトレーニングの定番、トレーニングの基本であるスクワットをおススメします。


大きい筋肉のトレーニングはカロリー消費も大きい

よく太ももの前面の筋肉、大腿四頭筋を鍛えるとダイエット効果がある。と言われますが、これは大腿四頭筋が人体で最大の筋肉であり、大きい筋肉を使うことはそれだけカロリー消費が多いということからきています。

大腿四頭筋を含む股関節を動かす筋肉は大きいものが多いので、股関節を動かす筋肉を鍛えることはカロリー消費も大きく代謝を高めることにもなるといってもあながち間違いではないのです。


定番のスクワット

股関節は先述したように屈曲と伸展・外転と内転・外旋と内旋の動きがありますが、やはり大事なのは股関節の屈曲と伸展です。

この2つの動きはスクワッドで特に鍛えられますが、膝よりも股関節を曲げるようにして行うとより股関節を動かす筋肉を鍛えることができます。

スクワッドは膝を痛めないように、肩幅くらいに足を開いて腰を落としたときに膝が足先より前に出ないように行います。

股関節を曲げる力だけで背骨を伸ばしたまま、とてもゆっくり腰を落としてまた上げていくのがコツです。

股関節の鍛え方

足を肩幅以上に開き、手を頭の後ろで組み、背筋を伸ばします。

股関節の鍛え方・スクワッド

お尻が出ないように背骨をを伸ばしたまま腰を落とします。

股関節を鍛えるコツ

太ももが水平になるところまで曲げ、膝がつま先より前に出ないようにすると膝を痛めにくいです。

先述したように股関節を意識的に曲げて行うのがコツです。

股関節を曲げるコツ

腰を落とす時は、膝ではなく股関節を意識して曲げるようにします。また腰を上げるときも股関節を伸ばすようにして股関節を動かす筋肉に負荷をかけるのがコツです。

物足りない方は重りを背負って行えば負荷はかかりますが、重力や自分の重みがあるので自分の身体だけでも十分に負荷がかかり、股関節を鍛えることができます。

とてもゆっくり、腰を落とすのに3~5秒、腰を上げるのに3~5秒で行うと反動をつけないで行うことができ、膝などを痛めにくくなります。


股関節のセルフケア

ご紹介した股関節ストレッチで十分に股関節のセルフケアができますが、股関節に効くツボが1点あり自分でも圧しやすいのでご紹介いたします。

股関節周辺のスジの緊張やコリ、違和感などがある方はお試しください。


股関節のツボの圧し方

股関節のツボ

足の付け根、鼠径部、Vラインの際にとても効果的なツボがあります。ほかのツボはその辺にいっぱいツボがありますから、探ってみてくださいと書いてきましたがここのツボはとても狭い範囲にあり、とれるツボとしては一点です。スジとスジのつなぎ目ですので分かりやすいと思います。


ツボの探し方

股関節のツボの探し方
写真のように仰向けに寝て、膝を曲げたときのVラインの際です。膝を曲げてから探して圧すと分かりやすいツボです。


ツボの圧し方

横から圧すようにしますが、浅いツボなので少し圧すだけで気持ちよかったり響きがあると思います。下腿の方に響くことが多くあります。股関節が痛いときはとても効くツボですので、ぜひ見つけて圧してみてください。ツボが見つかったら5,6秒持続圧をします、5,6回繰り返して圧してみてください。


定番の半身浴

股関節の症状に限らず、冷えてスジが緊張して凝り固まっている場合には下半身を温めることが大事です。

女性は特に冷えやすい体質なので、半身浴で下半身を温めて全身の血液に流れを回復させていくことはどのような不定愁訴にも効果的です。

ご紹介した股関節ストレッチなども半身浴の後に行えば、より安全に効果的に行うことができます。

半身浴

半身浴のやり方:

  • お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
  • 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
  • お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
  • お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
  • 工夫して半身浴を楽しみましょう。

さらに詳しくは体を柔らかくする半身浴のやり方をご参照ください。

また日常的に冷えやすい足先を温めるために、絹の靴下を履いたり、湯たんぽなどで足先を温めることも大事です。


股関節が楽になる抱き枕

股関節を楽にできる抱き枕

では、最後に私も愛用している抱き枕のご紹介。

股関節に問題を抱えている方や妊婦さん、横向きで寝るのがデフォルトの方には超おススメです。

私、何かと身体を酷使するので就寝時には抱き枕がないと困るんですね。

特にケガをしたときや股関節を痛めてしまった時など抱き枕があれば、とても股関節を楽に負担をかけずに寝ることができます。

楽な寝方

腰や股関節が辛いような方は横向きになって上の足を落とすと腰が楽になります。

妊婦さんや腰や股関節に問題を抱えている方は上記のような姿勢、横臥位(おうがい)がとても楽に寝れる態勢だと思います。

恵比寿整体院の施術でも横臥位の施術がほとんどなのは受け手に負担をかけずにしたいからなのです。

更に右を下にすると心臓への負担も軽くなり、心肺機能に問題を抱えている方にもおススメの寝方です。

この横臥位に更に抱き枕があれば腰や股関節、肩への負担をより減らすことができます。

股関節を楽にする寝方

大きめの抱き枕があれば股関節や肩、身体にかかる負担を減らして快適に寝ることができます。

まぁ、抱きつく相方がいればいいんでしょうけど、抱かれる方もずっとじゃ嫌でしょうしね。抱き枕なら文句も言えないですし。

私がおススメしている数少ない健康グッズ(冷えとり靴下・陶器の湯たんぽ・枕くらいです)のうちの一つが抱き枕なのです。

丁度いい大きさの抱き枕をレビューしていますので、気になった方はそちらをご参考ください。

取り外せるカバー付き、amazonなら色も選べます。



まとめ

ebisu-seitai
ずいぶん長くなってしまいましたが、股関節について理解は深まったでしょうか?

ご紹介した股関節ストレッチは完全呼吸とともに行えば、みるみる身体が柔らかくなっていくのを感じることができると思います。

股関節の力強さや柔軟性は、足腰の強さそのものです。

足腰が弱るとね、意志も弱くなるんですね。自分というものを保っていられなくなります。

健康な生活の為にも足腰の強さ、股関節の力強さと柔軟性は必須です。ぜひご紹介した股関節ストレッチや鍛え方で、力強い柔軟性に満ちた股関節を作ってくださいね。



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